心と体と呼吸の関係
自律神経は無意識のうちに働き、体温や血圧、呼吸をコントロールしていますが、心や感情の影響を受けやすい神経です。
興奮や緊張しているときは、脈拍が早くなり急に胸が苦しくなったり、呼吸が浅く速くなり交感神経優位の状態です。
逆に心が落ち着いていると、呼吸もゆっくり深くリラックスの副交感神経優位の状態です。
心と体と呼吸は、密接な関係にあるので意識してゆっくりと深い呼吸を行えば、ストレスも軽減でき、心身のバランスを整えることが出来ます。
呼吸法を取り入れた健康法では、ヨガや座禅、気功などが知られていますが、これらの呼吸法は、息をゆっくり深く吐くことや、細く長く息を吐くことにポイントを置いた、腹式呼吸を取り入れています。
この呼吸法は日常行っている胸式呼吸とは異なります。腹式呼吸は、お腹を膨らませて息を吸い込み、引っ込ませて息を吐き出しますが、取り入れる空気の量が胸式呼吸時の3~5倍になります。その刺激を受けて胃腸の働きが活発になったり、消化機能が改善されたりします。
その他、停滞していた血液の流れも良くなり、冷えにも効果的で、胸式呼吸にくらべて精神安定、血圧上昇抑制効果が高いものです。
意識的に腹筋を絞って、長く息を吐く呼吸を続けて一定のリズムで筋肉を収縮させることで、脳内にはセロトニンというストレスで疲れた脳を元気にするホルモンが分泌され脳も活性化されます。また腹筋も鍛えられるので、腰痛予防にもなります。
息を吸うと→交感神経に、吐くと→副交感神経(リラックス)に自律神経のスイッチが切り替わります。嫌なことがあったり悩んでいるときは腹式呼吸で心の乱れを整え、頑張りが必要な時には胸式呼吸でエネルギーを取り入れます。
呼吸法は、場所を選ぶことなく体力も必要ないので、誰にでもおススメできるリラックス法です。